そして、やりたいことはもう全部やってきたわ。
めっちゃ幸せな人生だったわ。と改めて思った。
しかし、その後。いやまてよ、と。
それから、ずっと冷凍してある豪華松前漬けのことを考えていた。いくらやあわびなどが入った超豪華版の松前漬け。
以前も貰ったことがあり、おいしすぎて大感動だったんだけど、自分で買えるような金額ではないのだ。
「今後の食事は一生この松前漬けとごはんですよ、その代わり他のモノはもう一切食べられませんよ」といわれても選んでしまうかもしれない、などと妄想するほどだった。
それをまた貰えたので、大喜びで冷凍庫の宝物として保管。
誕生日(まだまだ先)に食べようと思ってずっと楽しみにして3ヶ月経過。冷凍庫をあけるたびにニンマリしていた。
具合が悪くて食欲もなかったけれど「いやアレを食べずに逝ったら大後悔!成仏できない!」と力がわいてきた。
スグ食べればよかろう、と思うだろうが、具合の悪い中で食べたいわけじゃないのだ。
食欲があるときに、万全の状態で良い米を用意して食べるんじゃなきゃイヤだ……。
ということを病床の最中ずっと考えていた。
治ったら「人助けをする」「歴史に名を残す」などといった大層であいまいな目標なんかより(笑)、ちょっと良い食べ物のほうがいざというとき「こんなところでくたばってたまるか!」という力の源となる気がする。
こんなときだからこそ?みなさんにも、普段食べることのできない高価な好物を買っておくという方法をおすすめしたい。
まぁ、スペシャルな好物を「食べずに保管しておく」というのがなかなか難しいわけだが。賞味期限が長いものが良い。